エルの絵本【笛吹き男とパレード】


〔そのパレードは何処からやって来たのだろうか…〕 


嗚呼…そのパレードは何処までも続いてゆく… 


「おぉ友よ!罪も無き囚人達よ、我らはこの世界という鎖から解き放たれた。 
来る者は拒まないが、去る者は決して赦さない。黄昏の葬列…楽園パレードへようこそ」 


パレードは何処までも続いてゆく → 世界の果てを目指して 
先頭で仮面の男が笛を吹く → 沈む夕陽に背を向けて 
パレードは何処までも続いてゆく → 世界の果てを目指して 
男の肩に座った少女が歌う → その笛の音に合わせて 


心に深い傷を負った者にとって 抗えない魔性の音… 


「やぁ友よ!幸薄き隣人達よ、我らはこの世界という鎖から解き放たれた。 
来る者は拒まないが、去る者は決して赦さない。仮初めの終焉…楽園パレードへようこそ」 


パレードは何処までも続いてゆく → 世界の果てを目指して 
燃えるような紅い髪の女が踊る → 沈む夕陽を背に受けて 
パレードは何処までも続いてゆく → 世界の果てを目指して 
《気味が悪い》(グロい)首吊り道化師(ピエロ)の刺青(タトゥー)が笑う → あの笛の音に合わせて 


心に深い闇を飼った者にとって 逆らえない魔性の音… 


笛の音に誘われ 一人また一人列に並んでゆく 
やがてそのパレードは 夕陽を遮って地平線を埋め尽くす… 


喩えば箱舟を信じた少女… 
喩えば歪んだ真珠の乙女… 
喩えば収穫を誤った娘… 
喩えば妹を犠牲にされた姉… 
喩えば星屑に踊らされた女… 
誰も仮面の男ABYSSからは逃げられない… 


「ご機嫌よう、可哀相なお嬢さん。楽園パレードへようこそ!」


笛の音を操って 一人また一人列に加えてゆく 
やがてそのパレードは 夕陽を裏切って地平線を灼き尽くす…… 


嗚呼…そのパレードは何処までも続いてゆく… 


〔そのパレードは何処へ向かってゆくのだろうか…〕